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信用保証協会の保証付き融資は、中小企業や小規模事業者が金融機関から資金調達をしやすくするための制度です。この制度では信用保証協会が保証人となり、もし事業者が返済できなくなった場合は協会が代わりに返済するため、銀行は安心して融資を実行できるのです。これにより、資金調達が難しい中小企業でも事業資金を得やすくなり、成長のチャンスを広げることができます。
こちらでは信用保証協会の保証付き融資の特徴や審査で見られるポイントなどを紹介します。
信用保証協会の保証付き融資にはいくつかの特徴がありますが、まず第一に「信用保証協会がリスクを引き受ける」ことが挙げられます。金融機関は通常、貸し倒れのリスクを避けるため、事業者の返済能力を厳しく評価します。しかし、信用保証協会が保証を提供することで、金融機関はそのリスクを軽減できるため、中小企業でも融資を受けやすくなります。
さらに、保証付き融資では、事業者が融資を受けるために信用保証協会に保証料を支払いますが、この費用は事業の規模や状況に応じて異なります。プロパー融資と比べると保証料がかかる分コストが上がる可能性はありますが、信用保証協会の関与により資金調達が円滑に進む点は、特に資金調達に困難を抱える中小企業にとって大きな魅力です。
また、信用保証協会は地域ごとに存在し、各地域の経済環境や産業構造をよく理解しているため、地域特有のニーズに応じたサポートが受けられる点も見逃せません。
信用保証協会の保証付き融資を受ける際には、いくつかの重要な審査ポイントがあり、これらをクリアすることで融資が受けられるようになります。審査は、事業者の返済能力だけでなく、経営者の信頼性や事業計画の妥当性など、多面的に事業が評価されます。
まず、事業者が信用保証協会の保証を受けるためには、企業の規模や業種が条件に適合しているかを確認する必要があります。
たとえば、製造業では資本金が3億円以下であり、従業員数が300人以下でなければなりません。小売業や飲食業の場合は、資本金が5,000万円以下、従業員が50人以下といった条件が設けられています。これらの条件は業種によって異なるため、事前に自社が保証対象であるかをしっかりと確認することが大切です。
また、地域によっても制約が異なり、融資を申し込む事業者がその地域に適した事業を行っているかも審査の対象となります。対象外となる業種も存在するため、自社の業種が保証を受けられるかどうかも慎重にチェックしましょう。
次に、資金使途が明確であることが重要です。つまり、借入金がどのような目的で使われ、どれだけ事業の成長に貢献するかをしっかりと説明する必要があります。たとえば、新しい機械を導入するための設備資金や、仕入れや人件費など日常的な業務を円滑に進めるための運転資金が一般的です。この際、「なぜその資金が必要なのか」「その資金によってどんな効果が期待できるのか」といったことを具体的に示すことが求められます。
資金使途が不明確であったり、融資の申請目的とは異なる使い道をすることが確認されると、信頼性が損なわれ、審査が通らない可能性があるため、注意が必要です。
信用保証協会が融資を保証するためには、事業者が確実に返済できることが重要な条件となります。そのため、返済能力についても詳細にチェックされます。事業者のキャッシュフローが健全であることはもちろん、過去の決算書や財務諸表を通じて、経営が安定しているか、将来的に返済可能な利益を確保できるかが評価されます。
特に、融資を受けた資金をどのように運用し、どのように利益を生み出して返済に充てるかを示す「資金繰り表」の提出が求められることが多いです。また、過去に税金の滞納や債務不履行があると、審査において大きなマイナス評価となるため、事前に財務状況を整えておくことが重要です。
さらに、信用保証協会が重視するポイントのひとつに「経営者の資質」があります。事業者がいかに良いビジネスモデルを持っていても、それを成功に導くのは経営者の手腕にかかっています。そのため、経営者が業界の動向を適切に把握しているか、事業を的確に運営できるスキルがあるかが審査されます。
加えて、経営者の成長意欲や革新への取り組み姿勢も重要です。たとえば、新しい事業分野への挑戦や、技術革新に対する意欲が高い経営者は、審査において好印象を持たれることが多いです。最後に、経営者の人柄や信頼性も審査で評価されます。過去の実績や事業に対する責任感など、経営者が誠実に事業を運営しているかどうかが重視されます。
中小企業・小規模事業者への保証限度額は、中小企業信用保険における無担保保険の8,000万円と普通保険の2億円(組合は4億円)を合わせた2億8,000万円(組合は4億8,000万円)となっています。
中小企業・小規模事業者の多くは担保となる資産を有していないため、無担保で保証を受けるのが一般的です。原則として保証限度額の範囲内であれば、一部の業種を除いて保証を受けることが可能。ただし、必ず保証を受けられるというわけではなく、信用保証協会の審査に通る必要があります。
一般枠の保証限度額を借り切ってしまった場合、通常であれば信用保証協会から保証は受けられません。しかし、急激な景気の悪化で資金難に苦しんでいたり、新たな取り組みを行うための資金を必要としていたりする中小企業や個人事業主を支援するための措置として、信用保証協会では一般枠とは別に特別枠も設けられています。
全国信用保証協会連合会が公表している保証金額別の保証実績によると、3,000万円以下の保証を受けた中小企業・個人事業主が全体の半数(約53%)を占めています。金融機関群別の保証承諾実績で最も多かったのは信用金庫(44.4%)で、次に多かったのが地方銀行(31.7%)です。
信用保証協会の審査を受けるには、金融機関を通して申し込むか、信用保証協会に直接申し込みます。どちらから申し込むのかについては、取引先の金融機関があるかどうかで判断すると良いでしょう。審査の流れは、どちらのパターンでも原則同じです。また、どちらを選んだかで審査が有利もしくは不利になることもありません。
それぞれの申し込み方法や審査の流れについて見ていきましょう。
管轄の信用保証協会の窓口に申込者本人が出向き、担当者と面談を行い、申込書を受け取ります。管轄の信用保証協会の場所については、全国信用保証協会の公式HPで確認することが可能です。管轄の信用保証協会が直接の申し込みを受け付けていない場合もあるため、そちらも合わせて事前に確認しておくようにしましょう。
事業者から提出された申込書・必要書類をもとに審査が行われ、審査に通過した事業者には、協会から適切な金融機関が紹介されます。信用保証協会の審査では、事業所への訪問や面談が行われる場合もあります。紹介された金融機関での融資審査に通ったら、信用保証書に記載された条件をもとに融資が実行されます。
取引先の金融機関の営業担当に連絡、もしくは窓口に直接出向き、金融機関からの融資と信用保証の申し込み手続きを行います。金融機関の審査に通れば、金融機関が事業者に代わって信用保証協会に申込書を提出。金融機関から依頼を受けた信用保証協会が審査と面談を実施し、審査に合格したら金融機関に信用保証書が発送されます。その後、信用保証書に記載された条件をもとに融資が実行されるという流れです。
金融機関を通せば信用保証協会への保証依頼を代わりに進めてもらえるため、取引先の金融機関から申し込むのがおすすめです。取引実績がない場合でも口座を開設していれば相談に乗ってもらえるので、まずは金融機関の担当者に相談してみましょう。
信用保証の融資審査にかかる時間は、約1週間前後です。窓口が混雑する年末などの繁忙期や長期休暇を挟む場合は、審査の結果が出るまでに1ヶ月程度かかることもあります。審査通過後も手続きなどがあるので、実際に融資が実行されるまでに1ヶ月~3ヶ月程度かかると見込んでおいたほうが良いでしょう。
信用保証協会付き融資が金融機関から直接融資を受けるよりも時間がかかってしまうのは、金融機関と信用保証協会の両方の審査を受けなければならないためです。提出書類に不備があると審査にかかる時間がさらに長くなってしまう恐れがあるため、なるべく早く資金を調達したい場合は準備をしっかりと行う必要があります。
信用保証の申し込みに必要となる主な書類は以下の通りです。
信用保証協会によって必要な書類が多少異なる場合があるため、必要書類の詳細については、管轄の信用保証協会に事前にご確認ください。信用保証委託申込書(保証人等明細)や申込人(企業)概要などの書式は、基本的に各都道府県の信用保証協会のHPからダウンロードすることが可能です。会社の業績を証明する確定申告書(決算書)については、別表と勘定科目明細の添付も必要となるので準備しておきましょう。
商業登記簿謄本は管轄の法務局の窓口で申請、もしくはオンラインでも申請できます。
信用保証協会の保証付き融資は、事業者が金融機関からの資金調達をスムーズに行うための重要な手段です。審査では、企業の規模や業種に応じた適合性、借入金の使途、返済能力、そして経営者の能力や信頼性が総合的に評価されます。
これらの要件をクリアし、信頼できる事業計画と返済計画をしっかりと準備することで、融資を受ける道が開かれるでしょう。中小企業にとって、この制度を活用することは、事業拡大や成長への第一歩となり得るのです。
自らも経営の経験を持ち、阪神・淡路大震災によって140億の負債を負うが、自力で立ち直った経験を持つ。悩める経営者の方へのアドバイスを行い、これまでに1,500社以上の事業立て直しに関わってきた実績あり。(2024年5月時点)