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元請けの事情で会社の経営状態が左右されてしまう下請け。元請けからコンスタントに仕事が入り、無茶な注文もない状態が確保されているのであれば問題ないのかもしれませんが、そのような状況はそう多くはありません。世の景気に左右されがちな下請けから脱却するにはどうしたらいいのでしょうか。
国内需要の低下や大企業の海外への生産拠点移動など、下請け会社に回ってくる仕事量は減少傾向にあります。しかも、ほとんどの親企業が下請け企業への支援を行っていません。多かれ少なかれ営業しなくても仕事が得られる反面、親会社の経営方針次第で下請け企業の運命が簡単に決まってしまうといった怖さがあります。
2019年の「中小企業白書・小企業白書」では、中小企業の廃業・解散は増加傾向にあるといった結果が出ています。下請け会社が生き延びるにはどうしたらいいのか?その答えの一つとして挙げられるのが「脱下請け」です。
下請け会社からメーカー会社になると、経営面でさまざまな変化が見られます。まず、元請けの事情に振り回されなくなるのが一番の変化。さらに、エンドユーザーである顧客との結びつきや、実際に自社が中心となって動くことで使命感を感じられることなどがあります。
とはいえ、下請けからの脱却は簡単ではありません。下請けからの脱却には、メーカーとして自立するため、自社の強みを活かしたサービスの確立が必要です。そして、それを世に広めていく手腕が必要なのです。
どんな危機的な状況になっても、会社を守る一手になるのはオリジナル商品を開発して下請けから脱却することです。下請け会社の状態に甘んじてしまうと、注文を待つだけの「待ちの仕事」姿勢になり、価格の決定権もありません。突然に発注を打ち切られたり、価格を引下げるように要求されたりと、発注元に「NO」と言えない状態で振り回されてしまいます。発注先の顔色を窺っての営業では、常に厳しい状態が続くことが予測されることからも、オリジナル商品という自分だけの強みを作ることが下請け脱却になります。
実際に例を挙げると、下請けから大企業になったアイリスオーヤマがそれになります。アイリスオーヤマは、身の回りの小さなヒントを探り出し、得意のプラスチック成形技術を活かした商品作りから下請け脱却を成功させています。
アイリスオーヤマのように、身の回りを注意深く観察し、「それを製品化できないだろうか?」と考えるのを習慣化するのが、下請け脱却のポイント。いかに生活者目線で見ることができるかが、下請け脱却からの一歩になるのです。
脱下請けのメリットには、親会社の事情に左右されなくなるだけでなく、広く世間を見る事ができ、これまで見ることができなかったお客様の喜ぶ顔も見えるようになり、社員のモチベーションアップにつながることなどが挙げられます。特に、会社の社会的使命を実感できるのは大きいのではないでしょうか。逆にデメリットとして挙げられるのは、下請代金支払遅延等防止法の庇護から抜けることや、慣れない営業への取り組みです。
メリットだけでなくデメリットを踏まえたうえで、脱下請けを成功させるには、会社の強みをブランディングできるかどうかにかかっています。ブランディングでしっかりと強みを生かして弱みをカバーすることができれば、脱下請けもしやすいのです。
脱下請けできる会社とできない会社の違いは、マーケティング力と営業力があるかないか。
「良い商品が売れるのではない。売れたものが良い商品なのだ」という格言からも、メーカーとして自立するには、商品企画力だけでなく販売・流通ルートをしっかりと押さえてエンドユーザーにまで展開できるプロモーション力がないといけないのです。
脱下請けは元請けに縛られずに自由に活動できる良さがある反面、それを成し遂げるにはオリジナルの商品開発が必要であることがわかりました。
ただ、商品開発といっても容易ではなく、日常的にどれだけいろんなモノ・コトに目を向けているのかどうかがポイントとなります。
そして、どんなに素晴らしい商品を作ることができたとしても、それを拡げる術を知らなければ下請けから脱することはできません。つまり、マーケティング力と営業力が不足していたらメーカーにはなりえないと言う事。
マーケティング戦略や営業力の強化は、コンサルティング会社の得意とするところです。商品開発は自社で、戦略はコンサルティング会社とダッグを組んで脱下請けを目指すのがおすすめです。
自らも経営の経験を持ち、阪神・淡路大震災によって140億の負債を負うが、自力で立ち直った経験を持つ。悩める経営者の方へのアドバイスを行い、これまでに1,500社以上の事業立て直しに関わってきた実績あり。(2024年5月時点)