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資金繰りの相談はだれにする?

タイトル画像_資金繰りが厳しい…どこで・だれに相談したらいい?

資金繰りについて悩んでいるものの、どこに相談すればいいのか分からない経営者も多いでしょう。ここでは、資金繰りの主な相談先を4つ紹介。それぞれの相談先の特徴をはじめ、専門家に相談するメリットや資金繰りの相談をしたほうがいい経営状態などをまとめました。

主な資金繰りの相談先

税理士やコンサルタントなどの専門家

税理士

お金に関する身近な相談先としては、税理士があげられます。特に顧問弁護士がいる企業は、お金に関する悩みはまず税理士に相談するというところも多いでしょう。ただし、税理士はあくまでも税務の専門家のため、すべての税理士が資金繰りに詳しいわけではありません。税理士に資金繰りを相談したい場合は、資金繰りなど財務の知識に長けているかを必ず確認するようにしましょう。

事業再生コンサルタント

事業再生コンサルタントは、経営状態が悪化している企業の立て直しをサポートする専門家です。事業再生コンサルタントに依頼することで、自社が抱える問題を客観的にチェックすることが可能。また、専門家からの適切なアドバイスを受けながら、資金繰りの改善に向けた抜本的な改革に取り組むことができます。

そのほかにも会社の立て直しに必要な税理士や会計士、社会保険労務士などとのやり取りを事業再生コンサルタントに一任することも可能。事業再生コンサルタントが窓口となることでやり取りをスムーズに進められるほか、経営者や社員が業務に集中できるメリットもあります。

資金繰りを相談できる公的機関

中小企業基盤整備機構

中小企業基盤整備機構は、中小企業の支援を行っている経済産業省所轄の独立行政法人です。経営基盤の強化や新事業展開の促進など、多様な支援事業を提供しており、資金繰りの相談もできます。

全国主要エリアにある地域本部で、対面形式で相談が可能。たとえば「決算書を見ながらアドバイスしてもらいたい」「資金繰り表を見て、問題点を指摘してほしい」といった場合には、対面での経営相談を利用すると良いでしょう。ただし、対面での経営相談は予約制になっています。まずは地域本部に問い合わせてみましょう。

そのほか、電話(経営相談ホットライン)やメールに対応しています。またオンライン経営相談「E-SODAN」というAIチャットポッドを使った窓口も用意。一般的な事業計画書の書き方や資金繰りの管理方法、利用できる融資制度などを質問することが可能です。専門的な回答は難しいですが、「人に相談するより、気軽に利用できる」「24時間365日相談できる」というメリットがあります。

よろず支援拠点

よろず支援拠点は、中小企業基盤整備機構が全国に設置している経営相談窓口です。47都道府県に設置されており、アクセスしやすいのがメリットです。「日本政策金融公庫の融資を受けたい」「借入金の返済が厳しく、リスケを了承してもらいたい」「補助金や助成金を利用したい」といった様々な相談に対応してくれます。

ただし、よろず支援拠点で受けられるサポートには限界があります。また、担当者を選べないため、担当者の知識や相性に左右されやすいというデメリットもあります。

都道府県等中小企業支援センター

各都道府県には、中小企業庁が設置した中小企業支援センターがあります。都道府県等中小企業支援センターでは資金繰りや創業に関する相談が可能で、公的融資や補助金の案内を受けられます。

ただ、受けられるサポートは各種都道府県によって異なります。融資の相談や案内はしてもらえても、根本的な資金繰りの改善に対する支援は難しいかもしれません。まずは自社の事業所がある都道府県ではどんなサポートが受けられるか確認するといいでしょう。

商工会議所・商工会

商工会議所や商工会には「経営指導員」が在籍しており、資金繰りの相談が可能です。

商工会議所や商工会とは、地域の商工業者が集まって作る公益経済団体です。行政と連携しているため、政府の補助金や新しい融資制度に関する情報を手に入りやすいのが特徴です。

経営指導員による指導を受けた場合、マル経融資など特定の支援制度を利用できるのも魅力です。

ただほかの公的機関同様、融資の相談や案内はしてもらえても、根本的な資金繰りの改善に対する支援を受けるのは難しいでしょう。地域によって支援内容にも差があるため、まずは具体的な支援内容を確認する必要があります。

市区町村役場の商工課

地方自治体の中にある商工課では、地元の中小事業者向けに融資制度や補助金、助成金についての情報を提供しています。手軽に相談できる点がメリットですが、根本的な経営改善策を提案してもらうのは難しいでしょう。

各種業界団体

業種ごとにさまざまな業界団体があり、資金繰りや経営のアドバイスが受けられることもあります。業界特有の課題に対するアドバイスを受けられることがメリットです。

しかし、団体によってはそういった支援は行っていないこともあります。まずは団体の公式サイトなどで確認してみるとよいでしょう。

資金繰りを相談できる金融機関

メインバンクなどの銀行

取引のある銀行は自社の経営状況を把握していることから、資金繰りの相談がしやすい相手です。経営状況を把握したうえで金融機関の視点からアドバイスを受けられるため、経営再建に向けて現実的なアドバイスがほしいという方にとっては心強い存在です。

一方で、経営状況を詳しく把握されていることは良い面ばかりではなく、デメリットになることも。経営再建のために金融機関から融資を受けたくても、経営状況から返済が難しいと判断されて断られてしまう可能性があります。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、民間の金融機関の役割を補完する政府系の金融機関です。さまざまな融資制度を実施しているのが特徴で、民間の金融機関から融資を断られた企業でも、日本政策金融公庫の融資制度を利用することで借り入れできる可能性があります。

日本政策金融公庫の融資制度のなかでも、資金繰りの支援を目的としているのが「セーフティネット貸付制度」です。セーフティネット貸付制度では、次のような企業への貸付を行なっています。

  • 社会的・経済的環境の変化で売上や利益が減少し、業績が悪化している
  • 金融機関との取引状況の変化で、資金繰りに困っている
  • 国際的な金融不安や経済的環境の変化で、取引金融機関から借入残高の減少などの取り扱いを受けている
  • 関連企業が倒産し、経営が困難になっている

資金繰りに困っていて金融機関からの融資も難しい場合は、日本政策金融公庫への相談も検討してみましょう。

資金繰りの悩みを専門家に相談するメリット

自社が抱える問題点を把握できる

資金繰りの改善に取り組んでいても結果になかなかつながらない場合は、別の問題点が潜んでいるかもしれません。資金繰りの専門家に相談して外部の視点から自社の経営状況を見てもらうことで、これまで気づけなかった問題点を把握できる可能性があります。自社が抱える問題点を把握できれば、的外れな改善策に時間やコストを費やすこともなくなるでしょう。

追加融資やリスケのためのサポートを受けられる

資金繰りと融資は密接な関係になるため、資金繰りの専門家であれば融資にも詳しい傾向にあります。融資にも精通した専門家なら、金融機関が融資やリスケに対して重視するポイントを把握しているため、心強いサポート役となってくれるでしょう。

追加融資やリスケのためのサポートとしては、金融機関が重視するポイントを押さえた資料を作成してもらったり、金融機関との交渉の場に同席してもらったりなど。金融機関との交渉をスムーズに進められ、追加融資やリスケに応じてもらいやすくなります。

補助金申請のサポートまで依頼したいのであれば、専門家の業務範囲を事前に確認し、力を貸してくれる専門家を探すと良いでしょう。

資金繰り改善のための適切なアドバイスを受けられる

資金繰りの改善には経営とキャッシュフローに関する専門的な知識が必要になるため、自社のみで資金繰りの改善に取り組むのはなかなか難しいでしょう。また、抜本的な改革は痛みを伴うので、社内から反発を受けて結果的にうやむやで終わってしまうことも少なくありません。

資金繰りの専門家に相談することで、自社の経営状況に適した資金繰りの改善策のアドバイスを受けることができます。また、社内に摩擦が生じる可能性も踏まえたうえで実行するための支援を受けられるため、自社のみでの取り組みに失敗した、または不安がある企業におすすめです。

安定した経営につながる

専門家から資金繰りの支援を受ける場合、資金繰り計画表の作成から始まることが多いでしょう。資金繰り計画表を作成していないと、企業の規模が拡大したり事業内容が複雑化したりした場合に、自社の資金繰りの管理が難しくなります。帳簿上は利益が出ていたとしても支払いに必要な資金が用意できず、黒字倒産につながりかねません。

資金繰りの管理は安定した経営に必要不可欠なため、資金繰り計画表を作成して定期的に見直すことが大切です。また、資金繰りの管理を適切にできるようになれば、資金不足になる前に気づけ、対策を講じることが可能に。それにより、長期的な資金繰りの改善や黒字倒産の防止につながる可能性が高くなります。

資金繰りについて相談したほうがいい経営状態とは

急に資金が不足することが多い

急に資金が不足して焦ることが多い理由は、資金繰り計画ができていない、または不十分なためです。資金が不足しそうな時期を把握できていないため、専門家に相談して資金繰りの見える化に取り組む必要があります。

資金繰りの管理がしっかりとできていれば、資金が不足する前に借り入れをしたり、買掛債権の支払い時期を遅らせてもらったりなどの対策を講じることが可能。直前になって焦ることが少なくなり、自転車操業に陥るリスクも軽減できます。

月末時点の企業の現預金残高を把握していない

経営者が企業の月末時点での現預貯金残高を把握していないということは、資金繰りの管理ができていないことを示す危険なサインです。その状態が続くと大きな支払いが重なるなどの不測の事態が生じたときに対応できず、黒字倒産するリスクが高くなってしまいます。

専門家に相談して資金繰り管理の支援を受けながら、企業の財務状況を先々まである程度把握しておくようにしましょう。

売上に対して売掛金残高の割合が高い

掛での売上は相手企業から入金されて初めて企業のお金が増えることになるため、掛での売り上げ比率が高いと、資金繰り状態を把握するのが難しくなります。資金繰りの管理がより求められるため、専門家に相談して適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

掛での売上比率が高い状態が続くと、帳簿上は売上があるのに支払いに必要な資金が不足し、黒字倒産になりかねません。また、月の売上に対して売掛金の残高が高いと不良債権があると見なされ、金融機関から融資を受ける際に不利になる可能性もあります。

資金繰りが悪化する原因

複数の原因が資金繰りが悪化を引き起こすと考えられますが、ここでは代表的な資金繰り悪化の原因や要因について解説していますので、経営課題を見直す際の参考にしてください。

赤字が続いている

赤字経営が続いていると、企業としての資産が目減りし続けて、結果的に資金繰りの悪化だけではなく経営破綻のリスクがどんどん高まっていきます。

赤字になったからといって必ずしも即座に経営が破綻したり資金繰りが深刻化したりするとは限りません。しかし赤字経営が常態化しても売上の改善には繋がらないため、赤字問題は解決しないままになります。そのため、そもそも赤字化しない経営を目指すことが必要です。

そもそも資金繰りを管理できていない

資金繰りが悪化しやすい企業は、そもそも経営者が自社の事業に関してキャッシュフローを管理できていない可能性もあります。

キャッシュフローを管理できていない企業や経営状態では、行き当たりばったりの事業を続けたり自転車操業に陥ったりするものです。仮に今は経営状態が問題になっていなくても、資金繰りが遠からず悪化することが懸念されます。

予実管理を適正化してキャッシュフローをきちんと確認するようにしましょう。

売掛金を回収するまでの期間が長い

取引先に商品やサービスを提供したとして、それぞれの取引先から入金されるまでは一定の期間が生じます。しかし売掛金が支払われる時期が翌月末や翌々月末の場合、当然ながら支払いまでの期間は事業資金を自社の持ち出しによってまかなわなければなりません。

また、取引先の経営状態によっては突如として支払期日の延期を相談されることもあるでしょう。

売掛金を回収できなくなれば、当然ながら自社の資金繰りが悪化しやすくなります。

借入金が過剰

企業の資金繰りを健全化するために、商工会や金融機関などから融資を受けて資金を借り入れることは少なくありません。しかし借入金の額が多すぎて毎月の返済が負担になったり、利息が大きくなりすぎることも。資金繰りを安定させるために活用した融資や借金によって結果的に資金繰りが悪化してしまいます。

毎月の借金返済は固定費になってしまうため、必ず返済によって経営が圧迫されないように計算しなければなりません。

急激な売上の増加

売上が増加すれば企業の経営が上向きになり、資金面でも余裕が生まれると考えられています。しかし実情は、売上が急増することで法人税や消費税が大きくなってしまったり、急激な売上増加による増産体制を整備するためのコストが発生したりです。急激な売上の増加は、キャッシュフローのバランスを悪化させてしまう原因になってしまうこともあります。

売上増加は企業としての経営課題ですが、あくまでも事業戦略としてシミュレーションしておくことが大切です。

在庫商品・不良在庫の増加

新商品を開発したものの思ったように販売できず在庫が残ってしまったり、売上増加に合わせて増産したもののブームが去って在庫が残ってしまったりと、過剰な在庫が発生することによってロスが拡大してしまうこともあります。

需要に対して適正な供給体制を整備しておくため、在庫に余裕を持たせておくことは戦略の1つではあります。しかし、あくまでも販売可能な在庫量をシミュレーションした上で戦略を立てるようにしてください。

投資の失敗

企業として様々な投資を実施することもありますが、投資は必ずしも成功するとは限りません。そのため適切な投資シミュレーションを行わずに資産を分散させた結果、投資に失敗して損失が拡大してしまう恐れもあります。

投資の失敗は直接的に資産状況へダメージを与えて資金繰りを悪化させる要因になり得るため、必ず事前にリスクマネジメントを行うことが肝要です。

資金繰りを改善するために経営者ができること

資金繰りが悪化したとしても、速やかに対策を講じることで経営状態の改善や、資金繰りを健全化できる可能性があります。ここでは一般的に考えられる資金繰り改善のポイントをまとめました。

事業を改善して赤字から脱却

資金繰りを改善する上で理想的な解決策は、事業戦略を見直して経営状態を改善し、赤字状態から脱却することです。簡単に赤字脱却を実現できるような経営体制や状態であれば、そもそも赤字が常態化して資金繰りが悪化してしまうことも少ないでしょう。

そのため、自社だけで経営状態を改善して赤字脱却を目指せない場合、事業再生コンサルタントといったプロへ相談するのが有効です。

資金繰り表を作成する

資金繰りが悪化していると考えられた時、まずはどのような理由や支出によってキャッシュフローが不安定化したのか原因を見つけることが必要です。

資金繰り表を作成して収支状況を視覚化することで、問題になっている部分を発見しやすくなります。予実管理を見直して収支管理を適正化したりできる可能性もあるでしょう。

また、作成した資金計画と実際の事業が合致しているかチェックすることも大切です。

売掛金の回収時期を早めて回収漏れを防ぐ

売掛金を回収するまでの期間が長かったり、そもそも入金がきちんと行われなかったりした場合、想定していたキャッシュフローが破綻して、資金繰りの悪化につながります。そのため取引先と交渉して売掛金の支払日を早めたり、入金が遅れそうな取引先に対しては早めに連絡したりと、売掛金の回収を適正化することが大切です。

あくまでも自社ファーストで考えるようにしましょう。

買掛金の支払い期日を交渉する

買掛金がある場合、取引先と約束している支払期日に振り込みを行わなければなりません。しかし、どうしても資金繰りが悪化していてキャッシュフローが破綻しそうになっている場合、その支払いで問題が深刻化するリスクもあります。

そのため、資金繰りが悪化している、または悪化しそうだと懸念される場合、買掛金の支払期日や支払方法などを取引先に相談して経営破綻を回避することも大切です。

経費の見直しと改善

キャッシュフローが悪化する原因として、収入が減少しているだけでなく、支出が過剰になっているというケースも想定されます。

資金繰りが悪化している場合、毎月・毎年の固定費はもちろん、事業プロジェクトごとに発生している経費といった支出を確認。無駄なコストを削減できるように検討することが必要です。

ただし安易に人件費の削減を考えると結果的に事業性・生産性を悪化させるリスクもあるため、まずは経費の優先順位を考えましょう。

過剰在庫を防ぐ

在庫を過剰に抱えることで製造原価が増大するだけではなく、在庫を保管・管理するためのコストも拡大していきます。そのため、常に過剰在庫にならない在庫管理が必要です。

また、すでに在庫が過多の状態になっていると判明した場合、余剰在庫の処分や現金化について事業戦略を見直すことが資金繰りの改善に繋がります。

資金を調達する

一時的に資金繰りが悪化しているような場合、例えば融資を受けることで現金を調達し、資金繰りを健全化することも考えられます。また、企業によっては社債を発行して資金を調達するといったプランも検討できるでしょう。

ただし、融資にしても社債発行にしても債務を抱えるため、事前に返済計画といったプランをシミュレーションしておくことが欠かせません。

その他、企業が保有している資産の売却といった方法も考えられます。

返済のリスケを交渉する

毎月の返済金がランニングコストとしてキャッシュフローを不安定化させて、資金繰りを悪化させている場合、金融機関・債権者と交渉して返済時期のリスケや返済方法の見直しを検討することも重要です。

経営が破綻して、倒産すると債権が焦げ付いて回収できなくなってしまいます。金融機関にとって、返済可能なうちに返済条件を見直すことは悪いことではありません。ただし、リスケ交渉には債権者との信頼関係が不可欠なことも大切です。

休業・廃業を検討する

どうしても赤字状態から脱却できないと考えられる場合、それ以上のマイナスが拡大する前に休業や廃業、あるいは経営権の売却といったことを検討すべき時もあるでしょう。

ただし、休業・廃業するにしてもきちんと準備を行って取引先や従業員にも説明しなければなりません。

そのため、スムーズに休業・廃業を進められるように事業再生コンサルタントなどのプロへ相談して適切に進めることが無難です。

資金繰りに困っているとき、何を優先して支払うべき?

資金繰りが悪化して支払いに困っている場合、支払いの優先順位を見極める必要があります。会社の状況によって異なりますが、基本的には下記の3つを優先して支払いましょう。

  • 手形や小切手の決済代金
  • 給料
  • 税金

手形や小切手の決済代金

まず最優先で支払うべきは、手形や小切手の決済代金です。これらを支払いが滞って不渡りになった場合、企業の信用が失墜するだけでなく、銀行からの融資が一括で請求される可能性があります。

さらに一括返済に応じられない場合は、財産が差し押さえられることもあります。これは実質的な倒産といっても過言ではありません。資金繰りに困っている状況でも、手形や小切手の決済代金は支払いが滞らないようにしましょう。

給料

次に、従業員への給料を優先してください。従業員は会社の最も大切な資産の一つです。彼らの生活は給料に直結しています。従業員が退職してしまうと、業務継続が困難になるため、給料は可能な限り優先して支払うべきです。

税金

税金の支払いも重要です。税金を滞納すると、銀行や日本政策金融公庫からの融資が受けられなくなるため、資金調達の手段が狭まります。納税証明書は融資を受ける際に必要となることが多く、納税証明書が発行されないということは、それだけで資金調達の道が閉ざされることを意味します。

資金繰りが厳しい状況では、上記のように手形や小切手の決済代金、給料、税金・社会保険料、銀行への返済の順に優先順位をつけましょう。

資金繰りが本当に厳しいときは、銀行融資のリスケも検討する必要があります。

ただし、銀行融資のリスケが認められるかどうかは、適正な経営改善計画を立てて、新しい返済計画などを銀行へ交渉して信用してもらうことがカギとなります。そのため、まずは事業再生やリスケの専門家へ相談して、自社の現状の分析や将来的なリスクの検討などを行ってもらった上で、金融のプロに信用される経営改善計画をプランニングしていきましょう。

まとめ

経営再建に向けて資金繰りの支援を受けたいのであれば、信頼できる専門家に相談しましょう。資金繰りに詳しい専門家に相談することで、具体的な改善策のアドバイスや実行するための支援を受けられます。

資金繰りに詳しくない経営者が1人で悩んでいても、経営状態が好転することはあまりありません。専門家に資金繰りに関する提案や提言を受けることで、資金繰りの悩み解決への道が開けることもあります。資金繰りを改善する一歩として、経営相談ができる専門家に相談してみることから始めてみましょう。

三條 慶八
中小企業の経営者を救う
経営アドバイザー

三條 慶八
三條 慶八
   

自らも経営の経験を持ち、阪神・淡路大震災によって140億の負債を負うが、自力で立ち直った経験を持つ。悩める経営者の方へのアドバイスを行い、これまでに1,500社以上の事業立て直しに関わってきた実績あり。(2024年5月時点)

三條先生への経営相談
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